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2011年3月31日
独禁法、価格カルテル、談合...規制強化の先に見えるものとは(下)

 

公正取引委員会事務総局 九州事務所長 大塚 誠司 氏

<敷居を低くし身近な存在に>

 ―違反の未然防止とは。

公正取引委員会事務総局 九州事務所長 大塚 誠司 氏 大塚 独占禁止法や下請法に関して、大手企業であれば法務やコンプライアンスなど担当する部署が完備されています。しかし、中小になるとそこに手を回す余力がないため、法律の内容についてまず周知することから始めています。そのため、講演会や相談会などを行なっています。また、事業者などからの独禁法や下請法に関する事前相談も受け付けています。これを全体的なコンプライアンス向上と言えるかは分かりませんが、傾向としては大手企業の方がコンプライアンスに力を入れているとは思います。
 ただ、中小企業でも力を入れているところもありますし、一概には言えません。ほかに知られる前に法律上の問題点を検討するという場合が多いため、基本的に相談内容は公表しません。建設業者から代金の未払いについて相談を受けることもありますが、建設業法における問題のため、そちらの関係機関を紹介することになります。

 ―事業者から積極的な相談の申し込みはありますか。

 大塚 何件かはきていますが、決して多くはありません。これは難しい問題で、相談したという事実が取引先に発覚してしまうことを恐れて相談ができないといった状況にあると考えています。公正取引委員会からの積極的な書面調査による問題の発掘を中心として、個別の問題を聞く機会もあります。さまざまな機会を用意し、問題の発掘および解決を図り、企業のお役に立てればという思いです。

 ―建設業者のなかでも内在的に相談したいという層はいると思います。しかし、違反に対しての意識が低い、また公正取引委員会という行政に対して敷居の高さを感じているのではないでしょうか。

 大塚 その点に関しては私も感じているところです。これまでは未然防止のための講演会などは、ある程度規模の大きな事業者団体や地方公共団体主催における場で行なっていたことが多くありました。最近はそれに加え、福岡市以外の都市での普及活動、また中小事業者の要請に応じて行なう移動相談会など、気軽に相談できるような体制を形成しています。また、中高生に対する授業形式の講演会なども行なっています。

 ―最後に、抱負をお願いします。

 大塚 車の両輪として、とくに違反事件の摘発と未然防止に注力していきたいと考えています。

 ―本日はお忙しいなか、どうもありがとうございました。

(了)

【聞き手:IB事業部リーダー 緒方 克美】
【文・構成:杉元 敦】


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