ネットアイビーニュース

2011年10月 6日
醜い責任のなすりつけ合い~店舗内装業界

 

 「誰がケツを持つのか」。最近、よく耳にする言葉である。下請は元請から無理な頼みを聞き、それを孫請に伝える。図面通りの間違いのない仕事をすれば、それでおしまいであるが、工事の途中で、最初にきた図面とは違う指示が回ってくる。なぜ違う指示をするのかというと、言わずもがな単価を下げるためである。たとえば、ステンレスを使う予定を鉄にする、といったものだ。鉄を使えば錆びやすくなるのだが、単価を下げるためなら上(元請)は関係ない。下請、孫請はとりあえず言われた通りに作業をし、納品する。

 しかし、取り付け工事が終わり、しばらくして、案の定、錆が出てきた。当然、やり替えを行なうことになるのだが、その費用をどこが被るのか。それが「誰がケツを持つのか」ということである。普通に考えれば指示した上が悪いが、上は施工した下請に責任をなすりつけ、最悪な場合はそれが孫請にまで来る。下請、孫請の関係であれば、孫請は「うちは責任取りませんよ」と強い口調で言えても、下請は"これから仕事がもらえなくなるかも..."などの理由で弱腰になり、上に対して「そちらの指示通りに納めたのだから、そちらが責任を取ってくださいよ」と、強くは言えない。

 これは、ある一例に過ぎないが、このようなことが日常化している。値段は叩かれる、納期はない、ケツを持たされる。そうなれば、完全に赤字工事だ。しかし、やらなければ工場を遊ばせ、資金が回らない。

 そもそもは、できるわけもない値段で仕事を取ってきた元請に責任がある。技術の無さによるミスなどであれば、下請なり孫請なりが責任を取るべきだ。しかし、上が勝手に仕様を変えて起きたようなミスの責任を、下請、孫請になすりつけることは許されない。下請、孫請は御用聞きではないのだ。

【楢崎 賢治】


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