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2012年7月 4日
国交省の社会保険加入改革に異議あり!

 

(株)石和総建 代表取締役社長 石橋京介氏

0704_isiwa.jpg 公共投資削減の流れのなかで、建設業に入職する若い世代が減少し、ダンピングによる価格の下落や社会保険未加入が問題視されている。国も本格的にその対策にのりだしているが、福岡市早良区にある(株)石和総建の石橋社長は、企業側の立場から国の動きに異論を投げかける。

 石橋氏は、社会保険の会社負担は、労働者が全部もらい、そのなかから社会保険料を全額個人が支払う制度に変えてほしいと指摘。「社会保険は必要だが、公務員と民間を統合すべきではないか」という。

 建設業は、「日雇い」のイメージが強いが、製造業など他の業種と異なり、日給月給制が多い。日給月給制では、給与の計算は1日単位で行い、支払いは1カ月単位となる。実態は日給制と変わらない。日雇いの性質を維持しながら、給与の支払いを遅らせることも可能であり、かねてから問題視されてきた。営業社員や技術者は直傭で保険にも加入しているケースがほとんどだが、職人は必ずしもそうではない。かねてから問題視されてきた。しかし、このことについても石橋社長は、「建設業はすべてを直傭にしたら、東北の震災などではどうするのか」と批判的だ。現状では4人までの組織であれば、社会保険に加入しなくても良いことになっているが、それは社会保険に加入している企業との不公平感を生み、この問題が発生する。国民健康保険を全部社会保険に1本化し、たとえ個人でも社会保険料を払う制度に変えるべきと石橋社長は強調する。

 国土交通省は、建設業における社会保険加入を86%と製造業並みにまで引き上げることを発表している。そもそも、建設業界は受注産業であり、仕事が無いときもある。社会保険料は企業にとっての負担は小さくはない。建設業界団体は軒並み国の方針に賛同しているが、どこまで認識しているのかと疑問を投げかける声は建設業者に少なくはない。これまでゼネコンは管理をするだけで、工事施工は下請に外注してきたので仕事量の調整を下請におしつけてきた。

 「直接雇用をするべきというならば、大手ゼネコンが率先垂範することが必要だ」「制度設計を進めている国土交通省の会議はどこまで、末端の現実をわかっているのか」「5年もすれば末端の職人は一人もいなくなる」との石橋社長の主張は説得力がある。今回お話を伺うなかで、原発問題でも責任を取らない官僚のあり方にまで踏み込んで疑問を呈されたが、この問題は、国土交通省の一官庁に留まる問題ではなく、国会での議論を通じて考えていくべきテーマではないだろうか。地方の建築業者という立場を超えて、建設業の将来を憂う石橋社長の熱い思いを受け止めた政策の実現が望まれる。

【近藤 将勝】

<COMPANY INFORMATION>
■(株)石和総建
代表者:石橋 京介
所在地:福岡市早良区大字脇山2693
設立:1981年4月
資本金:2,500万円
業種:型枠工事
TEL:092-803-0805
URL:http://www.isiwa.co.jp/


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