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2012年7月 6日
地場建設業の積極的姿勢が地元経済振興のカギ(2)~(社)福岡県建設業協会

 

<適正な規模で適正な利益を(後)>
 ――地場建設業の企業も選定していかなければなりませんね。

0706_matumoto.jpg 松本 まさにその通りですね。福岡県下だけでなく、建設業界全体の需給バランスが崩れております。よって、受注価格の下落を引き起こしている原因となっております。指名競争の時代は、行政が企業を選別し公平な競争ができるようにするフィルターとして機能していました。

 一般競争入札導入の際、企業に対する選択は与えられませんでした。価格は安ければ安いほど良いというスタンスで、行政側は企業選別を放棄したのです。

 後に問題が表面化してきたため、打開策として総合評価方式が導入されましたが、そのような策は最初から考慮に入っていて当然でした。行政側は今一度、住民のニーズ、それらを反映でき体現化できる企業を測る定則を、きめ細かくつくり直すことから始めていただくものです。

 総合評価方式においても、理屈は公正であります。すべてフラットにするという定義は正しいと思います。しかしながら、企業は1社1社それぞれ異なります。その各社の違いが企業の特色であり、価値となります。その点を総合評価方式がフォローしてくれると考えますが、実際はその通りになりません。現況は、企業規模や社歴、技術力、経験にかかわらず、価格だけで勝負が決まってしまっているのです。

 入札価格が公開されている工事は、数社間でのくじ引きで決まるケースもあります。公共的な案件がくじ引きで決まるようでは、建設業界において適正な経営が実践できるとは思えません。総合評価方式は、考え方としては企業のさまざまな側面を得点に反映させるためのものだろうと思います。しかし現行では、充分に機能しているとは言い難いのではないでしょうか。

 たとえば、我々県建設業協会では、さまざまな勉強会を通じて技術の向上や安全な現場づくりを学んでいます。このような、点数では測れない、目に見えないアクションも大切なのです。これら以外でも、常に前進するために目に見えない努力をしている企業への評価に反映させていただきたいです。

 残念ながら、各々の工事を手がけるレベルに達していない企業が落札するケースも存在します。一極に傾倒することはいけませんが、公共インフラを手がけるためには、相応の品質管理と保証、そして瑕疵担保保証が必要です。工事のレベルによって入札参加資格を厳正化することも視野に入れるべきでしょう。

 建設業は、社会のインフラを整備する重要な意義があり、社会資本の担い手としての意識を持つべきだと思っています。社会に対して何が貢献できるかを、我々建設に携わる企業がもっと真摯に考えていかなければならないと思います。

 そのうえで、適正な業界規模で適正な利益が得られる業界にならなくてはならないのです。要するに市場規模が小さくなれば、業界自体も小さくならなくてはなりません。それで業界の需給の均衡を保つのです。今後は、建設業の許可要件を厳しくするということも必要なのかもしれません。

(つづく)
【河原 清明】

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