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2014年12月22日
創業100周年を機に組織力強化を(後)

 

有澤建設(株)

マンション・戸建建築を主体に医療・商業施設などでも豊富な施工実績を持つ有澤建設(株)(本社:福岡市博多区、木下英資社長)。現在、創業100周年を目前に記念事業を計画中だ。企業としての大きな節目をどのように迎え、どのように成長させていくのか。同社社長である木下英資氏に聞いた。

(聞き手:(株)データ・マックス代表 児玉直)

 ――業績好調の裏には人材があると思います。有能な人材を集められたのでしょうか。

 木下 実は営業の面ではそれほど人材は変わっていません。今は非常に回転がいい。以前は悪循環に陥っていたこともありました。それが少しずつ好循環へ変わってきています。今となっては冗談ですが、社長就任時は厄年で、その後明けたら良くなってきました。

 ――現在の受注状況はいかがですか。

有澤建設(株) 木下 英資 社長 木下 今期の数字はすでに出来上がっていますし、来期も7、8割は見通せる状況にあります。今年初めごろは契約しても発注の段階で値上がりしていて、当初見込んだ利益がまったく得られないことが続いていました。今は原価も高く出すようにしていますし、お客様もそういった状況を理解してくれて、やりやすくはなっています。一方で、協力業者との話のなかで、確認申請の件数が明らかに減ってきていると聞きます。以前より休みの増えた協力業者が多くなってきたこともあり、来年度以降は手持ちのあるゼネコンとないゼネコンで業績が変わってくるとみています。需要が減少し、単価が下がるのか、それとも増税前の駆け込みが再度起こるのか、注視しています。賃貸マンションだけではなく、この規模の割には武道館など特殊なものも手掛けているのが特徴でしょうか。そういう部分も今後伸ばしていけたらいいと思います。
 公共工事については現在の総合評価方式では、入札の最低落札価格が決まっていて、さらにプラスアルファで技術提案があります。技術提案にはコストがかかりますから、落札者の持ち出しとなり、昔ほど利益が出にくくなっています。民間で利益が見込める間は無理して公共工事を取りにいく必要はないと考えています。

 ――手がける物件の構成はどのようになっていますか。

 木下 圧倒的にアパートが多いですね。「いい土地があったら、見つけてきてほしい」という依頼が最も多いです。デベロッパーの下請けは全くやっていません。かつては自社でマンション販売や管理も行っていましたが、今はやっていませんし、今のところやるつもりはありません。当時販売していた人材は今残っていませんし、無理して始める事業ではないと考えています。当然、自社で販売すれば大きな利益が跳ね返ってきます。それをやり過ぎると会社の実力がなくなるような気がしますし、結局はデベロッパーに変わってしまう。あくまで「ものづくり」をする会社であるべきだと。木造の請負工事は地道に、着実に進めています。以前のように爆発的に何十棟もやるわけではありませんが。

 ――100年を超えて、今後20年は経営者として務められると思います。

   木下 20年ですか?確かに年齢的にはそうかもしれません。社長になるのが早すぎたとも思っていますから、部下を早く育てたいのです。わたしはずっと父親の背中を見てきました。仕事の話、経営の話を知らず知らずの間にたくさん教わっていました。今の中核社員たちは自分が経営者になるとは思っていない。大手のような経営のための研修制度も中小企業では実施しづらい。だからこそ、あえてこちらからそのような意識付けをしていかないと難しいと思います。

(了)
【文・構成:東城 洋平】

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