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2014年12月19日
創業100周年を機に組織力強化を(前)

 

有澤建設(株)

マンション・戸建建築を主体に医療・商業施設などでも豊富な施工実績を持つ有澤建設(株)(本社:福岡市博多区、木下英資社長)。現在、創業100周年を目前に記念事業を計画中だ。企業としての大きな節目をどのように迎え、どのように成長させていくのか。同社社長である木下英資氏に聞いた。

(聞き手:(株)データ・マックス代表 児玉直)

 ――2016年9月に創業100周年を迎えます。島根から業歴がスタートしたと記憶しておりますが。

有澤建設(株) 木下社長 木下英資氏(以下、木下) 創業者である現会長の祖父が大工として、島根から福岡にやってきて、この地で仕事を始めたのが1917年。創業100年はやはり企業にとっても大きな節目です。本社の建て替えを含めて、100周年記念事業委員会を作り、プロジェクトを進めています。

 ――今回の100周年プロジェクトは組織を束ねていくうえでも、大きなきっかけになりそうです。

 木下 建て替え計画もそうですが、40歳前後の中核社員を厳選して、委員会を組織しています。これをきっかけにさらに組織として結束力が強化できると考えています。

 ――100年のなかにも節目節目に歴史があり、御社には住宅建築の技術が脈々と受け継がれています。社員の皆さんに向けては100周年をどのように迎えるように伝えていますか。

 木下 基本的には社員1人ひとりが自立していくように促しています。社長に就任して常々言い聞かせている事ですが、弊社はこれまで同族で経営されてきました。それを私は真の意味で「会社」にしたいのです。会社は永続的なものであり、身内のものではなく、社員のもの。わたしの後継者は社員のなかから選ぶつもりです。頑張ったもの、実力のあるものが経営者になれる組織にしていきたい。そしてその前提として、今40代の中堅社員には「このなかから5年後、10年後に部長や役員になる人間が出てきてもらわないとうちの会社は成長していかない」と伝えています。

 ――創業100年を迎えるにあたって、今後自社をどのような会社にしていきたいと描いていますか。

 木下 他と同じことをやっていてもしょうがないので、有澤オリジナルを打ち出していく。企画モノを増やしていきたいとも思っていますが、それ一辺倒では当たり外れが大きくなります。それよりも市場の変化を的確にとらえて、全社員がお客様へ提案できるようになる必要があります。工務の人員はいくら効率的にやったとしても、減らすには限界があります。しかし、営業の人数はそれほど多く必要ないと考えています。優秀な営業マンであれば、1人でもかなりの契約を取れる。営業は少数精鋭でいいと。

 ――2020年の東京オリンピック以降、建設業界は厳しい状況に置かれるように思われます。施主の選別眼も厳しくなる。受注するゼネコンにはある程度のスケールが求められます。

 木下 現在、30億円規模の売上高ですが、50億の大台に乗せたいとは思っています。ここ最近は多方面から声をかけていただくのですが、現場員の不足から売上を伸ばし切れていません。現場員の確保が難しくなっているのも事実。そこで、まず30億でも土台のしっかりした、強い会社を作っていくしかないとも思っています。消費税増税の先送りは決まりましたが、オリンピックまでに増税は実施され、一度は市場が冷え切ると予想されます。今、仕事が十分にあるからといって、会社を大きくしすぎたら、その時は人員を削減しなければなりません。

 ――社長就任の時はやや大変な時期だったと思いますが、現在は確実に体力を戻しつつあります。

 木下 売上うんぬんよりも、仕事の内容を見ています。とくに受注の内容です。ここ数年、目立つのがリピーターの増加。単価的には厳しい時もありますが、リピーターとして再度注文してくれる顧客には気持ちの入り方も異なります。会社としても、たくさんのファンを作っていけることは必要だと感じています。何棟も建てているお客様が毎回ゼネコンを変える場合もあります。しかし、一度依頼してくれたお客様が再度指名してくれるのは本当にありがたいと思います。こういったケースが増えていることこそ、会社の実力が高まっているということだととらえています。

(つづく)
【文・構成:東城 洋平】

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