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2016年11月21日
ナトム工法推しの地下鉄七隈線、気になる福岡市の対応

 

tikatetu.jpg 福岡市営地下鉄七隈線は2005年2月に開業した。建設区間は西区橋本~中央区天神までの12.7km(建設キロ)。駅数は16駅。車両は中量地下鉄(鉄輪式リニアモーターシステム)が採用された。磁気による浮上式ではなく、従来の鉄の車輪で車体を支え、リニアモーターで発生させた駆動力で走行する格好である。そうすることで、急カーブ・急勾配での走行が可能となるばかりでなく、客室の空間を確保しながら車両の小型化を図ることができる。つまり、トンネルの断面を小さくできるなど、「建設費の低減」に繋がるのだ。

 七隈線開通工事に使用されていた工法は、駅部に関しては開削工法。駅間部に関してはシールド工法、そして『ナトム工法』だった(トンネル工事で多く採用されているのは、シールド工法)。開通工事が進む2000年6月、福岡市中央区薬院で陥没事故が発生した。さらに七隈線延伸工事がスタートしてからは、14年10月に博多区祇園町で陥没事故が発生し、16年11月8日に博多駅前陥没事故が発生した。七隈線関連工事というくくりで見ると、実に3回も陥没事故が発生している。そして、今回の延伸工事でもまた、シールド工法と『ナトム工法』が使用されていた。

 11月14日、福岡県は博多駅前陥没事故を受け、『ナトム工法』が使用されている県発注のトンネル工事に関して注意喚起を促した。21日現在、福岡市は同工法への対応について「対応予定はございません」としている。また、同陥没事故により急遽営業停止を余儀なくされた商業施設などへの賠償は、市とJV両者で対応(一旦JVが仮払いし,原因究明後に精算を行う)するとしている。

 博多駅前陥没事故から1週間後の11月15日、JV筆頭施工主の大成建設村田誉之社長が謝罪した。しかし、過去の事故を教訓化できていない福岡市のチェック体制に、問題はなかったのか。考えていく必要があるのではないか。

【代 源太朗】


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